2020年06月26日
人たらし
だいぶ以前にクライアントの担当者から、「大串さんは人たらしだ」と言われたことがあります。
人たらし。
その人は誉め言葉で言ってくださったのだと思うけど。
そもそもは、誑す、すなわち、騙すだから、良い意味ではないはず。
辞書によれば、
巧みな言葉で騙す、甘い言葉で誘惑し、たぶらかす、とありました。
人たらしが良い意味で使われるようになったきっかけは、豊臣秀吉にまつわるエピソードから。
目上の武将や部下からも信頼の厚かった秀吉を、司馬遼太郎さんが「人たらしの天才」と評したことから、周囲から愛される人、周りから信頼される人という意味として浸透したとか。
相手に対する思いやり、さりげない気遣いを、誰に対しても発揮できる人。
その意味であれば、目指したい姿です。
誑すか、気遣いか、の違いは、目に見える行動としては、ほんの少しですが、その、意味合いはだいぶ違う。
今まで多くの人と仕事で接してきた中で、こうゆう人が、良い意味での人たらしだなぁと思う例はいくつか思い浮かびます。
そこにある共通点。
・楽しそうに仕事している
・ものの見方、捉え方が前向き、肯定的
・上下、内外、左右、いつでも、どのような相手にも同じスタンスで接する
・社内や仲間の悪口を言わない
・無理せず自然体
・相手に関心もって観察して、ほんの少しの変化に気付ける
・相手の話をよく聞いて、相手の言葉を尊重している
一緒にいて気分のよい人、一緒にいた時間が有意義に感じられる人、ということでしょうか。
並べてみれば当たり前のことのようにも思うけれど、言うは易く行うは難し。
騙そうと思っての行動は、どこかで行き詰まります。
相手に対する思いやりや、配慮、気遣いは、自分自身のプラスのエネルギーを生みます。
そもそも、人を誘惑することはできないけど、正しくたらしたいなぁ。
2020年06月14日
ちぐはぐ
目指したいのは、consistency、一貫性。
心がけたいのは、Walk the talk、言行一致。
いやだなぁと思うことは、ちぐはぐなこと、です。
避けたいのは、理由、目的を理解しないままにアクションとること、です。
ちぐはぐ:
ものごとがかみ合わず、違和感があること。
ものごとが不ぞろいであること。
もちろん、常に統一感があったり、全てが整理整頓された状態であったりは、無理なことだし、むしろ、不自然だと思います。
誰も経験したことのない一大事。
未曾有のできごと。
正解なんて誰にも分らないし、トライ&エラーもあって仕方ないとは思います。
それでも、どう考えても、街中にはちぐはぐなことがあふれている。
横断歩道で、前から来たマスク姿の男性。
すれ違いざまに、急にマスクを外したと思ったら、「ヘークショーンッッ!」て大きなくしゃみ。
どうゆうことだろう。
とあるショップ。ガラス張りのひろーい店内。3密防ぐためにという御旗のもとに、予約制で、且つ、人数制限しての入店なので、中はガラガラ。一方で、入店を待つ大勢の人でその店の前の歩道は大混雑。
いいのかなぁ。
いまやすっかりおなじみになった、入店、入館前の検温。私はなぜか反応しにくいらしく、何回かに1回は、34.44度なんて体温が表示される。それ、測れていないってことだと思うけど。「高温ではないということで・・・」と言って通される。
ありですか。
非常事態だからこそ、よく見えるのかもしれない。
これまでも、ちぐはぐ、ってたくさんあったのですよね。
何のためなのか、理由、目的を自分なりに理解して、ふさわしい行動を取りたい。
最近、時間にゆとりもあるので、ウオーキングよくしています。
コロナ太り改善目的でもあるはずなのに、その後にご褒美のスイーツ食べるって。
ちぐはぐの最たるものだぁ。
2020年06月01日
不要不急
絶対必要かと問われれば、そうとは言い切れない。
何が何でもいま必要かと詰め寄られれば、そうとも言い返せない。
いままで、どれだけ、不要不急なものに楽しませてもらい、癒され、幸せ気分にしてもらってきたのでしょう。
ラグジュアリー。
私が提供する研修の中でも、特に大切で、スペシャルなテーマの1つです。
ラグジュアリーとは何か、の問いに対する答えは、人それぞれ、本当にさまざま。
贅沢、豪華、高級感、特別感、高額品、あこがれ・・・・。
どれも正解ですが、どれも唯一無二の模範解答とは言えません。
答が1つではないのがその答とも言えます。
そのような中でも、特にそうだなぁと思う答、いまだからこそ、考えさせられる、ラグジュアリーの定義;
「余分なものは、同時に、必要なものでもある」
ある哲学者の言葉です。
ラグジュアリーとは、
それがなくても、人間が生物として機能的には生きていけるけれど、一方で、人として、自分らしく、暮らしを彩るためには、なくてはならないもの、と言えるのではないでしょうか。
「ラグジュアリーとお金は無関係で非なるもの」
マーケティングの専門家の答です。
値段が高いからラグジュアリー、という訳ではありません。
「私たちは夢を売るためにここにいます」
ラグジュアリーブランドの販売員のラグジュアリーの定義です。
モノを買っていただくだけなら、他にもいろいろなチャネルがあります。
自分でなくても対応はできます。
そのモノの後ろにある背景、作り手の思いや夢までを乗せて、目の前のお客さまの夢の実現のために、お届けする。
不要不急だからこそ。
なくても生きていけるものだからこそ。
必要だと感じていただき、いまこの瞬間をベストタイミングと思っていただける、そんな仕事をしたい。
ラグジュアリーの定義の中に、自分の仕事の仕方を考えるヒントがありました。