2020年08月28日
the right to be you
人は誰でも、あなたである権利があるし、あなたらしくあっていいということ。
the right to be you−基本的人権の尊重。
アサーティブコミュニケーション研修のオープニングでお話しする、アサーティブのトレーニングやワークショップが導入された、そもそもの背景です。
研修というとどうしても、スキルやフレームワークに目がいって、それを覚えることが目的になりがち。
せっかく覚えたスキルやフレームワークも、もともとの考え方や発祥、由来を理解した上で使いこなさないと、おかしなことにもなりかねません。
the right to be you−基本的人権の尊重。
人は肌が白くても、黒くても、黄色くても。
男でも、女でも。年が若くても、重ねていても。
したいことはしたいと言っていいし、したくないことはしたくないと言っていい。
この、ごく基本的な考え方が、アサーティブ・コミュニケーションのスタート。
1970年代中頃に、アメリカの多くの企業でアサーティブのトレーニングが導入されたと聞いています。
研修オープニングでの私のセリフ。
「よりよい結果を出すためにも、みんなの意見を掛け合わせたい。ところが、その時代のアメリカは、肌に色のある人や、女性や、年の若過ぎる人、重ね過ぎている人は、それまで発言のチャンスをもらってこなかったので、ビジネスシーンにおいて、さぁ意見をと促されてもなかなか言えない。そこで、発言する術を身に付けようと取り入れられたのが、企業におけるアサーティブトレーニングの始まり」
ここから、「それから何十年も経って、2020年。いまや、肌の色や性別ではないですよね」と、現在のビジネスにおけるアサーティブネスの必要性の説明に続くわけですが。
「その時代」「いまやすでに卒業」、とも言い切れない現状。
肌の色に関してだけでなく、性別に関して、年齢に関して。
残念な事例を目にすることが少なくありません。
ガラスの天井なんていう言葉は、私が新卒で会社に入った頃に聞いた言葉です。
それを2020年になっても聞かされるとは思ってもいませんでした。
Diversity & Inclusion
多様性を受け入れて、認め合い、活かしていくこと。
ここ数年、かなり多くの企業で掲げている重要課題の1つ。
掲げられているということは、まだそこに到達していないということでしょうか。
自然にそうなっている姿が目指すところですが、まずは、改めて、意識することから始めたい。
2020年08月13日
本末転倒
本:根本的なこと。
末:些末なこと。
ものごとの根本的なことと、そうでないこととを取り違えること。
本末転倒。
そうなってはいけないなぁと、思っています。
そうしたくないと意識しています。
大切なことを疎かにし、大事ではないことを重要視している場合。
きちんとした筋道が立っていない、あるいは、肝心なこを忘れ、つまらないことに集中してしまうこと。
本末転倒。
よく考えればおかしなことだと分かりそうなものだけれど。
それが、実際、取り違えている状況を目にすることは少なくありません。
どうしてそうなるのでしょう。
元々は何か目的があってそうしていたはずなのに、気付いたら、そうすること自体が目的になっている。
どこから入れ替わってしまうのでしょう。
「本」を大切にして、「末」にはおおらか、無頓着、柔軟でありたいです。
本末転倒の意味を調べていたら、こんな解釈も載っていました。
良かれと思い行ったことの逆効果。望まない結果となってしまった場合。
これだなぁ。
たいていの人は、「悪かれ」と思ってしている訳ではありません。
多くの場合、「良かれ」と思って行っていることが、気付けば、度が過ぎたり、逆転したり。
だからこそ、やっかいでもあります。
「悪かれ」は反省すれば直せるけれど、「良かれ」は「良かれ」と思っているだけにブレーキが効かない。むしろ加速する。
気を付けよう。
2020年08月08日
三方よし
近江商人の思想、行動哲学として語り継がれる、三方よし。
売り手よし、買い手よし、世間よし。
目指したい姿です。
結果として「みんなよし」となるには、理由があるということ、偶然の結果ではなく必然なんだということ、改めて気付かされました。
三方それぞれの実力とスタンスと手間ひまが相まって、初めて、掛け算の成果が生まれるんだということ。
長いお付き合いのクライアントでの毎年恒例の階層別研修。
全国各地から集まって、同期が久々に顔を合わせて、それまでの仕事を振り返り、現状を棚卸しして、この先を考える2日間。
グループディスカッションが主体の、わいわいがやがや形式だからこそ生まれる思いがけない化学反応的な成果。
これはリアル会場での開催が前提条件だと思っていました。
そこにこのコロナ禍。
ネット環境、オンライン・プラットフォームの制約、プログラムの特徴、対象者の所属のバラつき、人数の多さ・・・・。
挙げればきりのない厳しい条件。
今年の開催は無理かとも思ったし、とりあえず急場しのぎに形ばかりのオンラインで最低限のことだけ実施してお茶を濁す感じで終わるかとも危惧しました。
それでも、クライアントの人事担当者と打合せを何度も繰り返し、知恵を出し合い、できる限りの可能性を探り、講師サイドでも検討、勉強会を重ね。
いまできる限りの環境を整え研修をスタート。
スタートしてみれば、受講者の前向きでまじめで熱量のある姿勢と地力の高さが、最後の掛け算の要素となり、想定を超える結果となりました。
計画者である企業の人事担当者にとっても初めての試み、プログラムを届ける講師陣も慣れている訳ではなく、そして主役である受講者にしても初体験のオンライン研修。
三者それそれが、あきらめたり手抜きをせずに、能力最大限に使って臨んだことで、「やむを得ず」「仕方なく」「今年は特別」からスタートした研修が、「オンラインだからこそ」が感じられるプラスアルファの成果をもたらしました。
三方よしは、結果だけを言っているのではなく、関係者それぞれ、三方がみな良質であることの大切さを謳っているのだと思います。